介護福祉士へのルートについて

介護の現場において中心的な役割を担う存在であり、介護のスペシャリストと言えば介護福祉士だろう。介護の仕事に携わる者にとって、介護福祉士へのキャリアアップは、多くの人が望む目標となっているようだ。では、実際のところ介護福祉士になるためには、どういった手順を踏めばよいのだろうか?

高校生以上の年齢の場合は、基本となるルートは2つある。介護福祉士を養成する大学や専門学校に進むルートと、多くの人が選択している実務経験ルートだ。現在のところ養成学校の卒業生は、一定の条件はあるにして、卒業とともに介護福祉士になる資格を手に入れられるが、2022年度からはどちらのルートを取るにしても国家試験の合格が必須となるそうだ。

実務経験ルートについてだが、国家試験の受験には、3年(540日)以上の実務経験と、450時間に及ぶ実務者研修の受講修了が必要になる。ただし、介護職員実務者研修の終了者は95時間、介護職員初任者研修の終了者に関しては、320時間でよいことになっている。もちろん通信制での受講も可能だが、50時間のスクーリングだけは欠かせないようだ。

そして気になる介護福祉士の国家試験についてだが、例年1月に実施されており、ここ数年の受験者数は15万人を超えている。しかし、合格者はその中の9万人程度であるため、きちんと学習している者にとってはさして難しい試験というわけではないことが窺える。ちなみに、2016年3月末は、介護福祉士の登録者数は約140万人いるが、2025年には約30万人の介護職が不足するらしく、人材不足の解消が急がれている。